仏式の自宅葬の流れについて

お迎え依頼

　故人様が亡くなってすぐにお迎え依頼をしたいところですが、亡くなる場所や状況によって家族の動き、依頼のタイミングは変わります。

①病院で亡くなった場合

　亡くなった場所が病院ならば、医師や看護師から葬儀社のお迎えタイミングを教えてくれる場合があります。故人様が亡くなると看護師がご遺体を綺麗にするために処置を施します。基本的な依頼のタイミングとしては処置が始まったら葬儀社に依頼をしましょう。処置が終了後は霊安室に移動します。先に葬儀社へと連絡を済ませているのでそれぼど待たずに病院を出発する事ができます。

②自宅療養中に亡くなった場合

　かかりつけ医師の下自宅療養をしていて亡くなった場合はまずはかかりつけ医にお電話をしましょう。医師が死亡確認を終え、看護師が故人様に処置を施します。自宅葬の場合はそのまま自宅に「ご安置」となります。看護師が処置中に葬儀社は何も出来ません。自宅葬の場合は看護師の処置が終了後落ち着いてから葬儀社に依頼をしましょう。

③自宅で亡くなった場合

　自宅で亡くなった場合でも、急死や発見時に既に明らかに死亡していた場合、自宅療養無しでの死亡の場合は警察に電話をしましょう。救急車でも良いですが、救急車を呼んでもすでに死亡していた場合は結局警察を呼ばれる事になります。慣れない事なので「警察を呼ぶ」となると身構えてしまうかもしれませんが、事件性が無いと個人で判断しても、死亡の原因に事件性が有るのか無いのかを判断する為、警察の検視が必要になります。落ち着いて警察へ電話をして現状を伝えるようにしましょう。

　警察が到着するまでご遺体には触れないようにしましょう。警察が自宅到着後に死亡に事件性が無いか検視を行います。早くて2時間程度で終わる時もありますが、警察の判断で司法解剖を警察指定の司法解剖医師に依頼し遺体を一旦引き取る場合もあります。その場合、司法解剖が終わるまでは葬儀依頼はもちろん故人とも面会も出来ません。

　自宅で亡くなった場合、依頼の電話は警察の検視が全て終わり警察に葬儀社依頼の了解を得てからです。

お迎え

　葬儀社が亡くなった場所へと向かいます。お迎え時間は依頼した葬儀社の状況によって変わります。お迎え時間の目安は1時間～2時間程度です。

①病院にお迎え

　葬儀社が寝台霊柩車の到着後に故人様のお帰り先、霊柩車の同乗有無、などの確認を行い出発となります。葬儀社の寝台霊柩車の車種によっては同乗が不可の場合もあります。念のために送迎手配、移動手段は確保しておくと良いでしょう。

　自宅葬の場合は自宅搬送の為、自宅の鍵を開けれる方が寝台霊柩車へと乗車、もしくは寝台霊柩車より先に自宅へと向かい鍵を開ける必要があります。

②自宅に手配の場合は

　自宅で亡くなった場合は、葬儀依頼後に直接自宅へと葬儀社が到着となります。葬儀場所が亡くなった自宅であれば、葬儀社が現場の確認後に葬儀を行う部屋へと故人様を移動します。

安置

　安置とは、故人様を特定の場所へとお連れし寝かせてあげる事です。葬儀社へ安置ならば控室や霊安室、自宅葬であれば指定の部屋へとお連れしお布団、もしくはお棺へと安置をします。

自宅葬の安置

　ご遺体を乗せるストレッチャーを使用し自宅内へと移動をします。指定の場所へと故人様をお連れし用意したお布団の上へと故人様を安置します。

枕飾りの設置

　安置が終われば枕飾りをセットしお参りが出来るように準備をします。枕飾りとは、経机、具足セット、線香、ローソクなどです。葬儀社のプランに枕飾りが無い場合は、仏壇の枕飾りを使うと良いでしょう。枕飾り設置が済んだら、近しい親族よりご焼香となります。

枕経の依頼

　枕経(臨終勤行)とは亡くなってすぐにお寺様が行う勤行の事です。枕飾り設置後はお付き合いのあるお寺様へお参りの電話をします。枕経は基本的には安置後に行いますが、お寺様によってはお通夜と一緒に行う場合もあります。

打合せ

　安置が終わり一旦落ち着いてから打合せへと移ります。その際全て葬儀内容の打合せを行うか、一旦は日程など簡単な打合せで終えるのかは葬儀社によって変わります。

納棺

　納棺には地方や葬儀社プランにより変わりますがいくつか方法が有ります。基本的には納棺師を呼んで行う納棺の儀は有料である場合が多くみられます。自宅葬でも納棺師を呼んでの納棺は可能です。

①美装

故人様に化粧を施し仏衣や着せたい衣服が有れば袖を通します。その後納棺を行います。お湯を使って故人様の身体を洗ったりはしません。

②湯灌

お湯を使い故人様の身体を洗います。その後は美装へと移り納棺を行います。

③何もしないで納棺

納棺師を呼ばず葬儀社と家族で納棺をします。仏衣や衣服は上にかけてあげて納棺を終えます。

通夜

　自宅葬と会館葬問わず通夜を開始する時間で多くは17時～20時です。焼香・代表挨拶など自宅葬でも会館葬と変わらない式進行で行われます。

焼香

　宗派やお寺様によって焼香のタイミングは変わります。葬儀社かお寺様の合図でご焼香です。喪主焼香、親族焼香、一般焼香の順で焼香が行われます。

代表挨拶

　通夜での代表挨拶は喪主が行います。もし喪主が何らかの事情のもと挨拶不可という事であれば代わりの親族が挨拶となります。自宅葬の場合、ある程度狭い空間での通夜が多いのでマイクを使わずに挨拶をする事もあります。

代表的な通夜式の流れ

1. 通夜開式
2. 読経
3. 焼香...喪主、親族、一般の順
4. 代表挨拶...喪主、もしくは代理
5. 通夜閉式

葬儀

　自宅葬と会館葬問わず葬儀を開始する時間で多くは10時～13時です。焼香・代表挨拶・お別れなど自宅葬でも会館葬と変わらない式進行で行われます。

焼香

　宗派やお寺様によって焼香のタイミングは変わります。葬儀社かお寺様の合図でご焼香です。喪主焼香、親族焼香、一般焼香の順で焼香が行われます。

代表挨拶

　葬儀での代表挨拶は親族代表が行います。通夜に引き続き喪主でも構いません。自宅葬の場合、ある程度狭い空間での葬儀が多いのでマイクを使わずに挨拶をする事もあります。

お別れ

　葬儀を終えると故人様の棺の蓋を開けお別れの時間です。生花やお別れの品を添えて出棺となります。

　※お別れの品は入棺出来る物と出来ない物があります。葬儀社に確認をすると良いでしょう。

代表的な葬儀式の流れ

1. 葬儀開式
2. 読経
3. 焼香...喪主
4. 代表挨拶...親族代表、もしくは喪主
5. 読経
6. 焼香...親族、一般の順
7. 葬儀閉式

出棺

　葬儀が終われば出棺へと移ります。霊柩車に故人様、親族が2～3人同乗します。(※車種によって同乗不可の場合も)他の親族は霊柩車の後を追って火葬場へと向かいます。葬儀社に火葬場への伴バスを注文し、火葬場へと同行しても良いでしょう。

火葬

　火葬場に到着後、親族が揃い次第、焼香をして故人様は火葬炉へと納棺され荼毘に付す事になります。お寺様によっては荼毘に付する直前に炉前勤行を行う場合があります。火葬時間は故人様の体系や火葬場事情によりますが、約1時間～2時間が目安です。火葬を終えれば故人様のお骨を拾う収骨へと移ります。自宅葬の場合、収骨後は初七日の為自宅に帰るか、式中初七日を終えていればその場でご散会となります。

炉前勤行

　故人様が炉に収まる前にお寺様が読経を行います。約5分前後で終わります。

収骨

　お骨壺へ故人様のお骨を納めます。基本的にはお骨と分骨壺と2つに分けて納骨しますが、お寺様の指導によりお骨を分けない場合もあります。分骨をするかどうかを事前にお寺様へ相談しておくと良いでしょう。

出棺から火葬までの流れ

1. 出棺
2. 火葬場到着
3. 炉前勤行
4. 焼香...喪主、親族
5. 荼毘...約1時間～2時間
6. 収骨
7. ご散会...初七日会場へ

初七日

　本来は没日を1日目と考え7日目に行う法要ですが、今現在では葬儀式に組み込む式中初七日か、火葬後初七日を行うのが一般的です。お寺様によっては式中初七日は宗教概念上不可とする場合もあります。その場合は火葬後初七日か7日後に初七日となります。

代表的な初七日法要の流れ

1. 初七日法要開式
2. 読経
3. 焼香...喪主、親族のみ
4. 法話
5. 初七日法要閉式
6. ご散会

料理の種類

精進料理

肉生ものが入っていない料理。通夜式終了後、親族に振舞います。

おとき

葬儀式前に親族に振舞う精進料理。

精進落とし

肉生ものを含む、懐石膳・オードブルなどを初七日後に親族へ振舞います。

料理振舞いの方法は地域により違う

　上記はよくある振舞い方ですが、地域により親族だけでなく地域の一般客へ振舞ったり、精進落としを出棺後に一般客へ振舞ったりとタイミングや振舞う種類、方法は様々存在します。詳しくはその地域の風習知識に長けた葬儀社に相談すると良いでしょう。

代表的な自宅葬の流れ

1日目
1. お迎え
2. 安置
3. 枕経
4. 打合せ
5. 納棺
6. 通夜
7. 通夜振舞い
2日目
8. おとき振舞い
9. 葬儀式
10. お別れ
11. 出棺
12. 火葬
13. 初七日
14. 精進落とし
15. ご散会

　基本的なお葬式の流れは自宅葬も会館葬もあまり変わりません。自宅葬と会館葬の違いは施設を利用するかしないかの違いです。近年の自宅葬はひと昔前と違い家族葬が浸透し小規模で行われる事が多く、家族によっては料理の振舞いなども省略する事もあります。自宅葬を行うのは大変だと思う方も多いようですが、行う事は会館葬とあまり変わりません。自宅葬のお葬式をご検討の方は自宅葬専門葬儀社へご相談をすると良いでしょう。